本日は、当社の創立記念式典に、ご多用中にもかかわらずご出席いただき、厚くお礼申し上げます。
創立10周年にあたり、短めにご挨拶を述べさせていただきます。
思い起こせば10年前、白金高輪の7坪のワンルーム事務所にて二名のスタッフでスタートしました。
会社設立の動機は、お話ししますと冗談でしょうと笑われてしまうのですが、弊社ホームページに記載されている通り、愛犬まりもと一緒に過ごしたいというのがきっかけでした。
当時の事務所では、まりもが駆けずり回って、番犬・看板犬として活躍しておりました。
そのまりもも12歳です。ちなみに今も元気いっぱいです。
設立当時は、不動産の売買の仲介を専門に行ってまいりました。
ある時、その事務所に某信用金庫の営業の方が、飛び込みでいらっしゃり、
”仲介だけですと売上高が伸びないので、資金を貸し付けるために、買い取りをしてください。”
と言われたのが、今の弊社のメイン事業となる中古不動産を買い取り、リニューアルして販売するという、不動産再生事業のきっかけでした。
もともと個人的には借金をするということは嫌いだったのですが、商売では自己資金だけでは限界があります。
良い資金を借り、良い資金を返済するということの重要さを学びました。
不動産業界の10年間を軽く振り返りますと、弊社設立と同じ年、2003年4月に六本木ヒルズが開業しました。
いわゆる”2003年問題”というオフィス大量供給で空室率が増加し、景気の悪い時期でした。
その後”ファンドバブル”と言われました不動産投資市場が活況に沸き、不動産業界はつかの間の宴に酔いしれていました。
また、日本では2007年夏頃の”サブプライム住宅ローン危機”をきっかけに、長くて深い世界同時不況が始まったのです。
私は、すぐさま悪い予感がし、不動産の仕入れを抑えました。
多少の痛手はありましたが、大きく商売をしていなかったため、持ちこたえる事ができました。
それからしばらくは、攻めの経営から、守りの経営に徹しました。
その後、2008年終盤のリーマン・ブラザーズ倒産による、いわゆるリーマン・ショックが引き起こされました。
私は当時プライベートでドイツ旅行を楽しんでおり、取引会社の人材スカウト会社の方からのお電話で知りました。
リーマンの元社員だった方を紹介したいというのです。
私は”冗談でしょう！あのリーマンがつぶれるなんて！！”と驚いたことを鮮明に覚えています。
そして、徐々に立ち直ろうとしていた日本に2011年3月東日本大震災が襲いました。
特に古い物件は、動きづらくなりました。
そして、現在はアベノミクスで一部の立地の良い不動産は元気いっぱいという状況です。
不動産は人生同様山あり谷ありですが、
”景気が悪い時は、高利回りの物件を仕入れる事ができ、景気の良い時は、実需の不動産が良く動く”
とポジティブにとらえ、不動産との人生を楽しんでおります。
弊社が山あり谷ありの中、10周年を無事迎えられましたのは、弊社スタッフの仕事に対する情熱とたゆまぬ努力の賜物ですが、それにも増してお取引いただいている皆様方の励ましやご支援によるところと感謝の気持ちでいっぱいでございます。
不動産が大好き
“I love real estate!!”
不動産から日本を元気にする！
という強い信念のもと、今後もより良い不動産を提供していきたいというのが、私の切なる思いでございます。
本日の次の10年を目指す新たなスタートの日として社員一同、心を引き締め、情熱をもって大きな課題に取り組んでいく覚悟でございます。
皆様には、今までと変わらぬご指導を宜しくお願い申し上げます。
最後に、皆様方のご健勝と、益々のご発展をお祈り申し上げて、私の挨拶と致します。
ありがとうございました！！
株式会社日本土地建物
代表取締役 神山 重子